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わたしのルーマニア雑感
Padure (森)

『森はルーマニア人の兄弟である』 ということばがある。古代からこの土地の人々は、幾多の侵略から身を守らなければならなかった。略奪から逃れるために、しばらく森へ身を隠す。よそ者もこの深い深い森の奥までは追って来られない。地元の者だけが知る知恵。侵略者たちが諦めてこの土地を去っていったころ、彼らは森から出て今までの営みをつづける。ルーマニア人は森に兄弟のような親しみを感じ、このようなことばを残したのだろうか。

森といえば、ルーマニアの西北部あたり、クルージュ・ナポカ(Cluj-Napoca)の郊外に不思議な森があるという。Baciv の森の奥には大きな岩のようなものが存在し、そこでは不思議な現象がおきる。と昔からの言い伝えがあるそうだ。クルージュの大学生たちは半信半疑それを確かめようと、寝袋を持って森へ入っていくのだそうだ。ただし、それが真実かどうか確かな話しは、いまだ聞いたことがない。

ただ、太古の昔からこの土地には神聖な森が存在し、彼らの祖先たちと深いかかわりを持っていたことは間違いない。『森はルーマニア人の兄弟である』そんなことばを思い出しながら  Furcte de Padureフルクテ・デ・パドゥレ(森のくだもの)を探しに森を散策してみるのも、ルーマニアの旅の魅力かもしれない。


 ・:  ルーマニア雑記帳 5  :・

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