ルーマニア 歳時記
夏至の儀礼祭
Sanziene(スンジエーネ) はキリスト教以前の民間習俗に由来するものであるらしい。太陽と密接に関係しているこの行事は、冬至と同様古代の人々にとって最も重要な儀式であったに違いない。
スンジエーネは“スンジアーナ(妖精)”の複数形で妖精たちの意味。村の若い娘たちが草原で花を摘み、花輪をつくり、村で一番美しい娘の頭にのせる。あるいは地方によってこの夜、村のはずれの森で結婚を控えた娘たちだけによる踊りの儀礼が行われていた。まるで幻想の世界。エリアーデの小説『妖精たちの夜』(住谷春也訳)はこれを題材にした物語である。
夏至をすぎると夏真っ盛り。各地で音楽祭・芸術祭など国際的イベントも催される。
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